契約まで 契約まで
偶然と必然

このセッションの最後に趣向の違う話題を二つ

 Tさんのご主人
妻の親しい友人で、主婦のTさんがいる。
Tさんの娘さんとうちの息子が同じ幼稚園だったことが知り合うきっかけ。
以前からTさんのご主人は大工さんだと知っていた。
ご主人を学芸会などで見かければ 軽くおじぎはするが、ちゃんと話したことは無かった。
「家を買おうか迷っているの」と、妻はTさんに相談した。
「うちの主人も大工だから、何かあったら相談して」とTさん。
その話を妻から聞いたが、「今はハイムかトヨタで検討しているので、 どこかの工務店がからむと話が複雑になる。だから、Tさんのご主人に話を持ち掛けるのはよそう」と私は言った。
検討が進んだ頃、 「ご主人に相談しなくてごめんね。もう直ぐセキスイハイムかトヨタホームに 決まりそうなの」と妻がTさんに言うと、意外な返事があったそうだ。
「えっ、うちの主人はセキスイハイムの大工よ!」
この話を妻から聞いて、不思議だと思った。
早速、ハイムの図面を持ってTさん宅を夫婦で訪問。トヨタかハイムで迷っていることを説明し、ご主人からハイムの話を聞いた。
工場で大部分を作るユニット工法も、最終的に家を仕上げるのは大工さんだ。 その大工さんから、建築現場で起こる生の状況を聞く事ができた。
建築に関わるトラブルの話になった。
「入居後に施主さんからのクレームは、勿論ありますよ。大きいのも小さいのも」と彼。
「それで、ハイムはどうするの?」と私。
「それが、お客さんの言うことに何でも対応しちゃうんです。それで私らが作業に出掛けるってわけ」
「お客の勝手なクレームや、どうでもいいんじゃないと思えるような細かい話にでも対応するの?」
「そ〜ねぇ」
「それって嫌じゃない? これぐらいのこと、どうでもいいじゃないというクレームで呼び出されたりするとさぁ」と私。
「でも、それがハイムなんですよ」
「へぇ〜 そうなんだ」
ハイムのアフターフォローが丁寧であるという情報は何よりの収穫だ。これ以外にも沢山の話ができた。
帰りの車でふと思う。
どうしてTさんのご主人がハイムの大工さんなんだろう。不思議だ…
不思議といえば、キリストも大工だったな…

 名古屋セキスイハイム株式会社 岡崎支店
私の仕事は、コンピュータのソフトメーカーの営業。私の売上げの半分以上は大手OA販売会社の「0商会」を 通じての数字だ。
O商会は愛知県には名古屋と岡崎に拠点を持っている。私はその二拠点に頻繁に行く。 岡崎の拠点は自宅から近いので、直行したり帰りに寄ったりする。
トヨタかハイムで悩んでいる頃、車でそのビルに向かっていた。
「トヨタか…ハイムか…」独り言を言いながら、0商会が入っている馴染みのビルを見上げた。
すると、驚くべき光景があった。そのビルの上には「セキスイハイム」と書いた大きな看板があった。
一瞬何が起こったのか分からなかった。「セ・キ・ス・イ・ハ・イ・ム… え… ええっ… 何でこんな所に看板が!」
O商会はビルの最上階。他の階に入っている会社には関心がなかった。 ビルに入って入居案内を見ると、セキスイハイムが複数階に渡って入居していた。
「今まで気付かなかったな。住宅展示場でしか会ってないものな」と思った。
その後、この馴染みのビルで4者立会いをすることになる。
「岡崎で一番頻繁に出入りしていたビルが、セキスイハイムも入っていたビルだったとは…」ちょっと背筋が寒くなった。
この状況を、心理学者ならこう説明するかもしれない。
「Davidさんは、O商会の仕事で岡崎に来る度に、大きなセキスイハイムの看板を見てました。自分では気付かなでしょうが、 それは深層心理に深く刷り込まれます。そして岡崎の住宅展示場に行ったあの日に、セキスイハイムの看板に 深層心理が反応したのです。Davidさんは偶然にあのモデルハウスに入ったと思うかもしれませんが、そうではありません。 ハイムの営業に親近感を感じたのも、実は刷り込まれた看板の影響です」
 セ・キ・ス・イ・ハ・イ・ム…  ビルの入居案内

 偶然と必然
私がセキスイハイムで家を建てたのは、長年、無意識に岡崎の大きなセキスイハイムの看板を見て いたからなのだろうか?
考え込んでしまう。
では思考実験をしてみよう。
あのビルの上にあった看板が「トヨタホーム」だったと仮定。そしてあのビルにはトヨタホームが入っている。
また、Tさんのご主人がハイムの大工さんでなくて、トヨタホームの大工だったと考えてみよう。 同じように不思議だと思い、背筋が寒くなる。
さて、それで私はトヨタホームを選んだだろうか?
私の考えた結論は「NO」だ。
それでも私は、セキスイハイムを選んでいたと思う。
更に仮定をエスカレートしよう。岡崎展示場で入ったのが、セキスイハイムではなくてトヨタホームだったらどうだろう?
そして、トヨタホームとの打ち合わせが先行し、途中で慌ててセキスイハイムに声を掛けたとしたら…
この場合の結論は「I don't know」。正直なところ分からない。どうなっていたか分からない。
この仮定の仕方は何かに似ているなと思う。何だか結婚相手を決めた状況に似ているようにも思う。
「あの事があったから、結婚したんだよな」と思い返してみる。「そうだ、そうだ」と自ら納得。 確かに家を選ぶことと結婚は似ていると思う。
「では、もしも、あの時、コレコレの状況だったらどうなっていただろう…」と仮定をエスカレートしてみる。
「それでも、この人と結婚していたのだろうか?」と自分に問うてみる。
この場合の結論は「やっぱり、この人と結婚していた」だ。
だから家と結婚は、似ている面もあるが、全く同じというわけではない。


 hints
いい家とは何だろう?
幸せな結婚とは何だろう?
立ち止まって、じっくり考えてみよう。 たった一回しかない人生だし、家もたった一度の一番高価な買い物という場合が多い。
家は人を幸せにできない。
運命ってなんだろう? あなたは運命を信じるだろうか?


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偶然と必然ねぇ…ふぅーん