 |
 |
 |
第三週目 (めまぐるしい六週間)
2005年4月24日の週
トヨタホーム来る
日曜日の夕方にトヨタホーム名古屋の佐藤さんが来た。
「佐藤です。よろしくお願いします」
西山さんと同じように爽やかな好青年。
西山さんが独身なのに対して、佐藤さんは結婚して
子供もいるので、より親近感を感じる。
西山さんも佐藤さんも入社5年目というキャリアは同じ。
ハイムに説明したのと同じような話を延々と繰り返すことになる。
どちらの場合もそうなのだが、私たちの生活スタイルを細かく聞きだそうとする。
何時頃起きて、何時頃寝るのか?
朝ごはんは誰と食べるか?
などなど、これらの情報から快適な間取りを考え出してくれる。
建売にはない、きめ細かさがある。
リビングダイニングは二階。
南の家との間を空けるために、家を北側に寄せる。井戸が邪魔なので井戸を埋める…。
思い返せば、あの井戸は水道がなかった時代に家族の飲み水になった。
井戸水は夏は冷たく、冬は適度な温度になる。
水道が来てからも、お風呂には井戸水を使った。
あの井戸は40年近く、家族とともにあったのだ。
埋めてしまうのはとても残念なことだ。
水道代が勿体無いからという経済的な理由ではなく、人情的に忍びないのだ。
そんな私たちの気持ちを佐藤さんは、敏感に察知したようだ。
「井戸を残しましょう。井戸を囲むように壁をコの字型にして…」とラフな図面をその場で書き上げる。
「おおっ!」と、私達の驚きと喜びが混じった声がもれる。
「手漕ぎの井戸ポンプをつけて、周りで子供たちが水遊びできるようにできたらいいな」と私。
「いいですね。そうしましょう」と佐藤さん。
その後の打ち合わせは、とても盛り上がった。トヨタホームに声を掛けて良かったと思った。
「今後のスケジュールですが、今週末に測量をします。それから5月3日にはプランを持ってきます」
「5月3日ってゴールデンウィークじゃない。働くの?」
「勿論です」
普通の人の休日や帰宅している夜が彼らの最も忙しい時らしい。
佐藤さんが帰った後も家族は楽しげだった。「やっぱり井戸は残してあげなきゃね」
井戸には人格があるらしい。
ハイムの解体業者
ハイムが手配した解体業者が下見に来た。まず更地にしなければ家が建たない。
壊すだけで金が掛かるのは、何か納得がいかない。
最近は不法投棄を避けるため、またゴミを分別する作業費などのために解体費用は上昇しているらしい。
結婚記念日:みどりの日
15回目の結婚記念日。
この日は、子供を母にまかせて、例年二人だけで食事に出掛けることにしている。
ゆったりとした時間を楽しめる夜。
だが、この年は出掛けなかった。家のことで頭がいっぱいで、時間的にも精神的にも余裕がなかったから。
しかし、その状況がその後も半年以上続くことになった。家を作るということはパワーのいるイベントだ。
妻は「今年のプレゼントは新しい家ね」と言っている。
トヨタの測量・地盤調査
トヨタの測量が土曜日にあった。休みなので私も様子を見た。
地盤調査のスウェーデン式サウンディング試験は、確かに簡単な方法だと感じた。
また、望遠鏡みたいなもので覗くだけで、正確に測量ができるのも不思議だ。
やった内容はハイムと、ほとんど同じだったらしい。
同じ事を二度もするのは無駄な気がする。ハイムとトヨタのどちらかは、(或いは両方とも)
私に掛けた労力は無駄になる。
|
 |